2004年12月29日 午後9時発表
AMDA多国籍医師団やスリランカ事業派遣者チームなど、AMDAはこれまでのネットワークおよび活動実績を駆使して、大地震と津波の発生した26日から緊急体制に入り、インドネシア、スリランカ、インドの3カ国で以下の救援活動を行っている。
【スリランカ】
28日朝6時30分(コロンボ現地時間。日本時間:9時30分)キリノッチチーム、同7時30分(コロンボ現地時間。日本時間:10時30分)トリンコマリチームがそれぞれ救援物資を積んだ車輌でコロンボ事務所を発ち、同日夕刻到着した。
29日にキリノッチでは、政府側の保健行政機関と反政府組織・タミルイーラム解放のトラ(LTTE)側の保健行政機関それぞれに物資配布場所などについて打ち合わせし、キリノッチ県内の被災者が多く収容されている県立パーレイ病院で、患者の搬送を行うこと、物資配給についてはムラティブ県内の全被災者が収容されている市内の小学校にて配布することが決定し、翌朝から実施することとなった。
トリンコマリでは29日に支援組織間の調整を経て、AMDAはニラべリ(トリンコマリ市から北へ15KM。海岸沿いの町)で物資の配給を行うことに決まり、翌30日朝から実施することとなった。
<チーム編成>
キリノッチ ニティアン・ヴィーラヴァグNithian Veeravag
スリランカ医療和平事業現地副統括
他に現地スタッフ2名 ニハール、ラビ
トリンコマリ 長谷川あすか(同事業現地副統括・医療調整員/看護師)
山中睦子調整員、現地スタッフ1名 サンパット
コロンボ/ロジスティクス 幸長由子調整員、植木恵子調整員、吉冨久美子調整員
<今回の配布物品>
ビスケット(100g入)45,000パック、バケツ(13L)250個、石鹸250個、ろうそく250本、マッチ250箱、タオル250枚、ベッドシーツ250枚など
*ろうそく、マッチ、タオル、ベッドシーツ、ビスケットをバケツに入れて1セットとし、各家族に配布
《スリランカ医療和平プロジェクト》
医療和平とは、AMDAが「紛争当事者の双方に中立人道支援の立場から、国際医療協力をもって紛争の緩衝を図り、和平プロセスに寄与する試み」。
この理念に基づき、スリランカ民主社会主義共和国において、2003年2月始められました。
北部キリノッチ(タミル系地域)、東部トリンコマリ(イスラム教徒居住地域)、南部ハンバントタ(シンハラ系貧困地域)で、巡回診療、巡回健康教育を提供するとともに、平和構築のメッセージなどを含めたタミル語・シンハラ語・英語の3言語併記の「AMDA健康新聞」を発行し、平和構築に寄与している。
【インドネシア】
28日朝、AMDA本部より派遣した調整員一名は、AMDAインドネシア支部の医師6名とともに震源地から近い州都バンダアチェ市に入り、6ヵ所ある病院の内、唯一機能し、緊急医療に対応している軍病院で負傷者の手術など医療支援活動を開始した。29日17時(日本時間:19時)現地からの報告によると、重症患者180人余りが手術を待つ状況で、あふれたけが人は屋外で治療を受けている。また、遺体が道路に放置され、電気・ガス・水道といったライフラインが壊滅状態とのことである。
<派遣者>
諏原 日出夫(すはら ひでお) 調整員 岡山市
AMDAインドネシア支部からの参加者
イドラス パトゥルーシ Idrus Paturusi整形外科医/男性
イフタ フディン Iftahuddin 麻酔科医/男性
ザルカル ナイン Zulkarnaen整形外科医/男性
アブドゥル アジス Abdul Azis内科医/男性
ラハマ Rahm内科医/女性
エニ サンレ Eny Sanre内科医/女性
*29日、新たに20名の医師・医学生ボランティアが現地入りして支援活動に加わった。
【インド】
29日、AMDA本部より調整員一名を現地に派遣した。現地姉妹団体とともに、医療活動と水や食料など生活必需品の配布活動を行う予定。
<派遣者>
松永 一 (まつなが はじめ) 北九州市出身
2004年3月から12月25日まで、スリランカ医療和平事業コロンボ事務所勤務 事業統括
29日
11:10関西空港発TG623便 バンコク着 15:30
20:00バンコク発TG313便 カルカッタ着21:05(日本時間30日00:35)
現地姉妹団体:Friends’Society in Social Service(AMDAの姉妹団体 、在カルカッタ国連登録NGO)
AMDAインド支部からの参加者
ラマチャンドラ カマト Ramachandra Kamath内科医/男性
ハルシャ クマール Harsha Kumar内科医/男性
シャムサンダー バット Shyamsundar Bhat整形外科医/男性
パダバマ バット Padmanabha Bhat外科医/男性
サティシュ ベカル Satish Bekal看護師/男性
ジョージ Jorge内科医/男性
*AMDAネパール支部から、医師、調整員各一名が合流し、診療活動に参加する予定で調整中。
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