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AMDA ソロモン諸島沖地震・津波緊急支援活動

 
ソロモン諸島沖地震・津波緊急支援活動 5
 

2007年5月29日


ササムンガ病院から大きな病院に搬送されるマラリア患者
ササムンガ病院から大きな病院に搬送されるマラリア患者
ヴィーラワン医師(左端)とソロモン諸島政府から派遣された看護師
 

報道機関向け帰国記者会見を実施しました。概要は下記の通りです。

【日時】 5月29日 15:00〜16:00
【場所】 すこやか苑 4階多目的室 (岡山市楢津310-1 AMDA本部隣接)
【報告者】
<派遣者>ニティアン・ヴィーラヴァグ  調整員
<本部> 菅波 茂             AMDA代表
       谷口 敬一郎          緊急救援担当

【会見内容概略】
<支援の背景>
 4月2日、ソロモン諸島首都ホニアラの北西345Kmにおいて、マグニチュード8.1の地震が発生し、その後大規模な津波が押し寄せた。
 AMDAは、この甚大な被害に対し、7日、岡山から初期調査を目的として本部職員1人を、その後AMDAインドネシア支部から医師1人を追加派遣した。
 ソロモン諸島国家災害委員会(National Disaster Council)によると、この地震と津波による死者は52人に上った(5月17日現在。ソロモン諸島人口:約53万人(2004年))。この他、行方不明者もいることから、さらに死者の数は増えると予想されているが、戸籍制度がないため、正確な死者数の把握は困難である。また、避難者数は、9,000〜10,000人(内約5,000人が18歳以下)と報告され、その多くは現在も丘の上や密林地帯に設営された132ヵ所の避難所等で生活している。

<派遣者>
ニティアン・ヴィーラヴァグ
 調整員  岡山市在住(オーストラリア国籍)
   現地でのコーディネーション、本部との連絡を担当
 派遣期間:4月7日〜5月8日 
  元AMDAスリランカ医療和平事業副統括
 AMDAでの緊急救援活動:
   2003年5月 スリランカ洪水被害に対する緊急救援活動
   2006年12月フィリピン台風21号緊急医療支援活動
   2007年1月 スマトラ島北部洪水緊急医療支援活動

ヌール・スーリア・ヴィーラワン
 医師  AMDAインドネシア支部・麻酔科医 インドネシア共和国マカッサル在住
   6人の看護師と協働し、24時間体制で診療を実施
 派遣期間:4月13日〜5月8日
 AMDAでの緊急救援活動:
   2006年6月 インドネシア・スラウェシ島洪水緊急医療支援活動

<緊急医療支援活動>
活動場所:ササムンガ病院(ソロモン諸島 チョイスル島 ササムンガ村)
活動期間:4月21日〜5月5日(15日間)
活動概要:
ササムンガ病院にて、ソロモン諸島政府から派遣された看護師6人とともに、ヴィーラワン医師が同病院の唯一の医師として診療を行った。同医師を中心として、看護師がローテーションを組んで、24時間の診療体制を敷いた。また、当初ソロモン諸島での薬品の入手が困難であることが予想されたため、同医師がインドネシアで購入、運搬しササムンガ病院に寄贈した。
活動結果:AMDAの活動開始以前の4月16日から20日までの間に67件のマラリアが報告されており、当初は、マラリアの流行が心配された。原因は、被災者の劣悪な生活環境と疲労蓄積であった。同病院にはホニアラから派遣されたマラリア検査官もおり、検査体制は比較的整っていた。マラリア患者へはクロロキンなど抗マラリア薬を処方した。当初心配された件数の増加は、22日を最後に収まったが、発熱や頭痛などの症状を訴える患者は、診療活動期間中絶えることはなかった。また、生活水を雨水や小川の水に頼ったこともあり、皮膚疾患の患者も多かった。活動期間中(15日間)の総患者数は388人であった。

<協力団体>ソロモン諸島国家災害委員会(NDC)、国家災害管理委員(NDMO)、保健省、ササムンガ病院

ソロモン諸島沖地震・津波緊急支援活動 4
 

2007年5月01日

 チョイスル島ササムンガ村のササムンガ病院で、ヴィーラワン医師は唯一の医師として、ソロモン諸島政府から派遣された看護師6人と共に診療を継続している。患者の多くは病院の近隣に在住していたが、被災後はテント生活が続き、劣悪な生活環境と疲労蓄積が顕著となっている。
 4月29日、ヴィーラワン医師が持参した、抗生物質・解熱鎮痛剤・消炎鎮痛剤・鎮咳剤・抗マラリア薬などをササムンガ病院に寄贈した。
 現地では余震が続いていて、5月1日、マグニチュード6.1の地震が発生した。津波は起こらず、大きな被害は伝えられていない。


診察中のヴィーラワン医師

診察を待っている人々

テントで避難生活を続けている被災者

ササムンガ病院に医薬品を寄贈


【疾患・診察数】
 1.主な疾患
  ・マラリア、皮膚疾患、上気道感染症
  ・ササムンガ病院内にはマラリア検査官が常駐し、血液検査によるマラリアの判定を実施
 2.診療者数  (21〜30日 合計285人)
  24日45人(発熱、頭痛、皮膚疾患、歯痛 他)
  25日35人(マラリア2件、皮膚疾患 他)
  26日28人(疼痛 他)
  27日23人(上気道感染症、疼痛 他)
  28日12人(頭痛、発熱 他)
  29日17人(皮膚疾患、上気道感染症、流行性耳下腺炎1件 他)
  30日29人(咳、頭痛、発熱、下痢1件 他)

【派遣者】
  ニティアン・ヴィーラヴァグ   調整員  岡山市在住(オーストラリア国籍)
                     元AMDAスリランカ医療和平事業副統括
  AMDAでの緊急救援活動: 2006年12月フィリピン台風21号緊急医療支援活動
                    2007年1月スマトラ島北部洪水緊急医療支援活動
 
  ヌール・スーリヤ・ヴィーラワン 医師(麻酔科) AMDAインドネシア支部所属
                     インドネシア共和国マカッサル在住
 
【活動開始日】
 4月7日
 
【参考】
 4月2日、首都ホニアラ北西345kmのニュージョージア諸島で、マグニチュード8.1(震源の深さは10km)の地震が発生し、その後、大規模な津波が押し寄せた。死者52人(国家災害委員会発表、4月26日現在)。
ユニセフ(UNICEF Situation Report 4/25、27)によると、地震と津波によるソロモン諸島の被災者総数は10,276人で、その内、約5,000人が18歳以下である。被災者は、丘の上や密林地帯に設営された、少なくとも130箇所の避難所で生活し、多くが受診できない状態が続いている。また、36以上の学校が被災し、学校で勉強できない子どもが5,000人以上いると報告されている。

ソロモン諸島沖地震・津波緊急支援活動 3
 

2007年4月24日

 21日、ヴィーラワン医師は唯一の医師として、チョイスル島ササムンガ村のササムンガ病院で、ソロモン諸島政府から派遣された看護師6人と共に診療を開始した。同医師が持参した、抗生物質・解熱鎮痛剤・消炎鎮痛剤・咳止め薬・抗マラリア薬なども利用している。
 同病院は、海岸沿いにあった施設(受付・外来・薬局・事務所など)の損傷が特にひどく、幾本かの柱と屋根が残っているだけであった。それらが防波堤になったことから、水道設備は稼動しないままではあるが、中心施設は機能も徐々に復旧し、現在24時間体制で診療を行なっている。
 ヴィーラヴァグ調整員の報告によると、高台に逃れていた被災者は、被害を受けた居住地に戻り、建物にビニールシートを張るなどして再建を始めている。ただし、生活水を近くの小川の水や雨水に頼っているため、衛生環境は悪い。また、津波を恐れ、使用するボートが破壊されたこともあり、生業である漁業や農業を再開できない被災者も多いとのことである。


診察中のヴィーラワン医師

損壊が激しいササムンガ病院


【疾患・診察数】
 1.主な疾患
  ・マラリア、皮膚疾患、上気道感染症。
  ・マラリア流行のきざし。ササムンガ村では、先週一週間で67症例があった。
   劣悪な生活環境と疲労蓄積が原因と考えられる。
  ・ササムンガ病院内にはマラリア検査官が常駐し、血液検査によるマラリアの判定を実施。
  ・マラリア患者には、クロロキンなどを処方。
 2.診療数
  21日28人(内マラリア患者12人)
  22日31人(   〃   11人)
  23日31人(   〃    0人)

【派遣者】
  ニティアン・ヴィーラヴァグ   調整員  岡山市在住(オーストラリア国籍)
                     元AMDAスリランカ医療和平事業副統括
  AMDAでの緊急救援活動: 2006年12月フィリピン台風21号緊急医療支援活動
                    2007年1月スマトラ島北部洪水緊急医療支援活動
 
  ヌール・スーリヤ・ヴィーラワン 医師(麻酔科) AMDAインドネシア支部所属
                     インドネシア共和国マカッサル在住
 
【活動開始日】
 4月7日
 
【参考】
 4月2日、首都ホニアラ北西345kmのニュージョージア諸島で、マグニチュード8.1(震源の深さは10km)の地震が発生し、その後、大規模な津波が押し寄せた。
死者52人(国家災害委員会発表、21日現在)、ソロモン諸島政府は、23日を国の定めた追悼の日とした。
チョイスル島住民は、先週「津波理解プログラム」を受講し、津波がどのような仕組みで起こるのかや対策について学んだ。
 

 
ソロモン諸島沖地震・津波緊急支援活動 2
 

2007年4月13日

 ヴィーラヴァグ調整員は、オーストラリアとソロモン諸島首都ホニアラで、国家災害委員会(NDC)、保健省など関係機関との調整及び情報収集を行った。その後ギゾ島で、保健省の出先機関を訪問し、調査を開始した。
 水源の汚染や衛生環境の悪化、病院施設への交通手段が限られていることから、マラリアや下痢、呼吸器系の病気のリスクが高まっている。また、ソロモン諸島西部の島々では、11日から12日にかけて、マグニチュード3程度の余震が続いている。政府は、13日で緊急段階は終了し、今後は復旧・復興段階に移ると住民に訴えているが、新たな津波到来の噂が後を絶たず、数多くの被災民が自宅から高台に避難している。
 地震・津波の発生から11日経った現在も、インフラは復旧せず、飲料水や食料は依然として不足しているとのことである。


被災地チョイスル島ササムンガ村病院

同学校


【派遣者】
○ニティアン・ヴィーラヴァグ    調整員  岡山市在住(オーストラリア国籍)
                      元AMDAスリランカ医療和平事業副統括
      AMDAでの緊急救援活動:2006年12月フィリピン台風21号緊急医療支援活動
                        2007年1月スマトラ島北部洪水緊急医療支援活動

○ヌール・スーリヤ・ヴィーラワン  医師(麻酔科) AMDAインドネシア支部所属
                      インドネシア共和国マカッサル在住
【活動開始日】
  4月7日

【参考】
ソロモン諸島では、4月2日、首都ホニアラ北西345kmのニュージョージア諸島で、マグニチュード8.1
(震源の深さは10km)の地震が発生し、その後、大規模な津波が押し寄せた。
死者35人、少なくとも1,500人は緊急援助が必要とされている(NDC、12日現在)

ソロモン諸島沖地震・津波緊急支援活動を開始
 

2007年4月6日

 4月2日、ソロモン諸島首都ホニアラ北西345Kmで、マグニチュード8.1(震源の深さは10Km)の地震が発生し、その後大規模な津波が押し寄せた。4日、ソロモン諸島政府は非常事態宣言を発令し、現在もなお、被災状況の全容は把握できていない。国家災害委員会(NDC)によると、5日現在で死者34人、負傷者・行方不明者は多数と予測されている。避難者は約5,500人で、その多くは津波を恐れて山中や高台で生活を続けている。被災地の一つ、ギゾ島では、衛生環境の悪化から、下痢などの症状を訴える被災者も多く、また飲料水の確保も課題となっている。
 被害の甚大さを鑑み、AMDAは、調査チームの派遣を決定した。必要に応じて、AMDAニュージーランド支部と調整の上、第二次支援チームを派遣する。


【派遣者】
○ニティアン・ヴィーラヴァグ    調整員  岡山市在住(オーストラリア国籍)
                      元AMDAスリランカ医療和平事業副統括
  AMDAでの緊急救援活動:2006年12月フィリピン台風21号緊急医療支援活動
                    2007年1月スマトラ島北部洪水緊急医療支援活動

○ヌール・スーリヤ・ヴィーラワン  医師(麻酔科) AMDAインドネシア支部所属
                        インドネシア共和国マカッサル在住

【日本からの出発】
4月7日14:06 岡山駅発 のぞみ26号・はるか37号  新大阪経由
     16:03 関西国際空港着
     18:10 関西国際空港発 キャセイパシフィック航空507便 香港経由
   8日12:50(日本時間11:50) オーストラリア・メルボルン着予定
   9日      ソロモン諸島ギゾ島へ向かう予定

 


 
 

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