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  AMDA ネパール抗議デモ負傷者緊急医療支援活動
 
ネパール抗議デモ負傷者緊急医療支援活動 3

2006年5月2日

 AMDAは4月17日より25日(現地時間。日本と−3時間15分の時差。以下標記のない限り現地時間)まで、ネパール王国の首都カトマンズ市内において巡回診療を実施した。患者は抗議デモの参加者、治安当局の双方を含み、巡回診療チームは合計194名に対して診療を行った。
 カトマンズ市内では、24日夜の国王演説を受けて25日の大規模抗議行動が中止になり、26日にはほぼ通常の状態に戻ったことから、AMDAは巡回診療を終了。現地での活動の調整、情報収集に当たっていた谷口調整員は28日に現地を発ち、29日早朝に日本に帰国した。
今回の支援活動では、AMDAネパール支部が同国政府の要請を受けて迅速に初動を開始するなど、AMDAが掲げるローカルイニシアティブ(現場主導)を体現した。また抗議デモによる負傷者を対象にした初めてのケースであり、AMDAとして新たな経験・ノウハウを蓄積した。

【日本からの派遣】
谷口敬一郎(たにぐち けいいちろう) 調整員 岡山市在住 広島市出身
                    AMDA本部職員(スリランカ医療和平プロジェクト本部担当)

【AMDAネパール支部の活動スタッフ】
  医師  アーチャリアー・P・ラメシュ(AMDAネパール代表)ら9名
  救急隊員・補助員・運転手  レグミ・スデッシュら8名
  コントロール室員  カティワダ・ゴビンダら7名

【治療内容】
応急処置としての傷口の消毒や傷の縫合、骨折や捻挫部位の固定(添え木)、また鎮痛剤や抗生物質などの医薬品の支給など

【診療数】
日付 治療部位・原因

病院へ申し送り
移送

頭部 脚部 碗部 轢症 銃創 その他
4月17日 7 8 15 7 0 12 49 4
18日 9 1 5 5 0 5 25 2
19日 0 3 3 0 0 2 8 0
20日 0 0 0 3 0 1 4 0
21日 11 5 7 5 0 9 37 1
22日 0 7 3 5 0 1 16 0
23日 0 1 1 7 1 2 12 3
24日 5 9 4 11 1 11 41 2
25日 0 2 0 0 0 0 2 1
32 36 38 43 2 43 194 13

 

ネパール抗議デモ負傷者緊急医療支援活動 2
 

2006年4月25日

 ネパールのギャネンドラ国王は24日夜、解散させていた下院を復活する意向を表明した。主要7政党は25日、受入れを決定し、事態は収束の可能性が高まった。
首都カトマンズでは幹線道路の封鎖による医薬品などの不足も伝えられ、AMDAは、引き続き巡回診療を行なうとともに情報収集に努める。

 【日本からの派遣】
谷口敬一郎(たにぐち けいいちろう) 調整員 
岡山市在住 広島市出身
AMDA本部職員
(スリランカ医療和平プロジェクト本部担当)
4月22日岡山を出発し、23日カトマンズに到着後直ちAMDAネパール支部担当者と合流した。
現在AMDAネパール支部の巡回診療に同行し、情報収集を行なっている。

【AMDAネパール支部の活動状況】
  4月17日、外出許可証を得てカトマンズ市内で巡回診療を開始した。積極的中立の立場で、デモ参加者と治安当局双方の負傷者を診療している。
   診療時間:8:00〜18:00
   (デモの状況によっては20:00まで)
   チーム:1チームは医師2人・救急隊員2人・
       補助員2人・運転手1人で構成され、
       2チームが活動中
   患者数:1日10〜50人
   (デモの状況、激しさにより異なる)

 

<AMDAネパール支部>
ネパール国外での活動実績:
 AMDA多国籍医師団の一員として、難民支援と自然災害の緊急救援プロジェクトに多数参加
・難民支援:ソマリア・エチオピア難民支援(ジプチ国内、1992年より現在医師派遣)、アフガン難民支援(98〜99)の他、コソボ、チェチェン、ルワンダ、バングラデシュなど
・自然災害:パキスタン北部地震(2005年):医師3人・調整員1人、スマトラ島沖地震津波(2004−2005年):医師4人・調整員2人、インド西部地震、カンボジア・メコン川大洪水、アフガニスタン震災など
  
<ネパール国内で実施している長期プロジェクト>
・ネパール子ども病院 (ブトワール市1998年〜現在):小児科と産婦人科を兼備した専門病院であり、カトマンズ以外で唯一の小児専門病院。様々な保健医療人材育成機関とも連携し、産婦人科の実習病院としても大きな役割を果たしている。
・AMDA病院 (ダマック市1992年〜現在):ブータン難民に加え地域住民に対する医療サービスを実施
その他のプロジェクトとして、「ブータン難民キャンプ内プライマリヘルスケア」、「性感染症ケア・サービス」、「地域保健衛生啓発(農村地域の女性と子供を対象に、保健衛生教育、識字教育、母子保健教育、学校保健 教育)」などを実施している。

 

 
ネパール抗議デモ負傷者緊急医療支援活動 開始
 

2006年4月21日

ネパールでは4月6日以降、主要7政党の呼びかけによる全国ゼネストと民主化要求抗議デモが続き、デモ隊と治安当局との間で衝突が発生している。20日、首都カトマンズを囲む環状道路では、政党活動家らが外出禁令を無視し十万人近いデモ隊員が集結した。報道によると、治安部隊の発砲などで、これまでに全国で14人が死亡、100人以上が負傷しているとのことである。
 この緊急事態に対し、ネパール政府がAMDAネパール支部にデモの負傷者に対する医療支援を要請した。AMDA本部は、ネパール支部からの要請を受けて、積極的に中立の立場を示すためAMDA多国籍医師団の派遣を決定した。
 日本人調整員一人を、明日22日先発として派遣する。引き続き、医療従事者の派遣を検討している。

【日本からの派遣】
<派遣者>
谷口敬一郎(たにぐち けいいちろう)
  調整員  岡山市在住 広島市出身
  AMDA本部職員
   (スリランカ医療和平プロジェクト本部担当)

<派遣日>
4月22日
岡山駅  19:42発のぞみ48号 新大阪駅経由
関西空港 21:36着
4月23日
関西空港 01:25発タイ国際航空673便
バンコク 05:15着 10:30発タイ国際航空319便
カトマンズ12:35(日本時間15:50)着予定

【AMDAネパール支部】
4月17日、カトマンズで巡回診療を開始。デモ参加者と治安当局双方の負傷者を治療している。

【皆様からの募金を受け付けております】
郵便振替:口座番号01250−2−40709  口座名「AMDA」
通信欄に「ネパール・デモ」とご記入下さい

 


 
 

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