2007年1月12日

　インドネシア・スマトラ島北部を襲った洪水で、約３５万人が被災し、１００人以上が死亡、数百人が依然行方不明と伝えられている（１／９国際移住機関（IOM）発表）。被災地からの報告によると、洪水で今期の農作物は収穫を全く望めず、備蓄してあった食糧と種苗は水に漬かったままになっている。復旧に向け、泥や瓦礫の撤去が始まったばかりであるという。
　ＡＭＤＡは、ザイナル・アビディン病院とＡＭＤＡ緊急医療支援チームを結成し支援活動を継続している。
１月５日ツゥラガ・ムクサ（Teulaga Meukusa）村のモスクで巡回診療を行ない、４３２人の患者を診察した。
　６日、ザイナル・アビディン病院の医師４人と看護師４人が交代要員として支援活動に加わった。活動の拠点となっているウマム・デラ・タミアン病院（Umum Daerah Tamiyang Hospital）を現在も継続して支援をしている。
　７日、スンガイ・ユー（Sungai Iyu）の保健センターの支援を開始した。金山調整員はジャカルタに移動し、在インドネシア日本国大使館、日系各企業、報道各社を訪問し報告を行なった。
　９日、豪雨の中、漁船でラントウ・パクプ（Ranthou Pakup）村へ移動し、巡回診療を実施した。支援が行き届いていなかったこともあり、村長はじめ村の人々から歓迎された。患者数は７２人、ほとんどが成人で上気道感染症、真菌性皮膚感染症、発疹、高血圧、下痢が主な疾患であった。
　ザイナル・アビディン病院から参加している医師・看護師は、スマトラ島沖大地震・津波復興支援としてＡＭＤＡが実施した「麻酔科医師派遣支援」「看護師派遣研修」「行政担当者向けの医療機関緊急時対応研修（HOPE）」「外傷に対する初期治療の向上を図る研修プログラム（ATLS：Advanced Trauma Life Support）」を担当、または受講した経験を持つ者が多い。

　 例１）Dr. Fachrul 　AMDAが派遣した麻酔科医と共に、バンダ・アチェ市内の緊急手術の
　　　　　　　　　　　　　ネットワーク作りに寄与した。
　　　２）Dr. Tahib　 　今活動の病院側最終意思決定者で副院長。「HOPE」に参加。
　　　３）Dr. Agus　 　今活動の病院側運営責任者で救急病棟長。「HOPE」に参加。
　　　　　　　　　　　　　また、州・県 保健省との協調に尽力した。
　　　４）Dr. Nizarli　 今活動の病院側医師責任者。同病院救急病棟医師で、２００６年２〜５月AMDAが　　　　　　　　　　　　　　実施した南アチェ県での巡回診療（和平後に帰還した避難民が多く住む村や貧困　　　　　　　　　　　　　　地域を対象）に医師として参加。

【緊急医療支援活動開始日】
１２月３０日（インドネシア・スマトラ島北部で、１２月２１日から続く豪雨による洪水が発生し、被害が拡大）

【これまでの活動場所】
ウマム・デラ・タミアン病院（Umum Daerah Tamiyang Hospital）
ベンダハラ（Bendahara Sub-district）周辺の村々で巡回診療
　ルブク・バティル（Lubuk Batil）村
　トゥンプ・テンガ（Tumpuk Tenga）村
　デサ・タンジュン（Desa Tanjung）村
　スカ・ジャディ(Suka Jadi)村
　スカ・ダマイ(Suka Damai)村
　ツゥラガ・ムクサ（Teulaga Meukusa）村
　スンガイ・ユー（Sungai Iyu）保健センター

【AＭＤＡからの派遣者】
　金山　夏子（かねやま　なつこ）　　　　　 調整員 　ＡＭＤＡアチェ事業統括
　梶田　未央（かじた　みお）　　　　　　　　 調整員　 ＡＭＤＡアチェ事業派遣調整員
　Nithian Veeravagu(ﾆﾃｨｱﾝ･ｳﾞｨｰﾗﾊﾞｸﾞ)　調整員　 国際貢献大学校上席研究員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （前ＡＭＤＡスリランカ医療和平事業副統括）
　Dr.Yose Waluyo 　　　　　　　　　　 医師　　 ＡＭＤＡインドネシア支部　（１日より活動に参加）

【活動参加人数】　　総計　２５人

支部/所属	医師	看護師	調整員	合計
AMDAアチェ事務所			2	2
AMDAインドネシア支部	1			1
ザイナル・アビディン病院	11	9	1	21
国際貢献大学校			1	1
合計	12	9	4	25

2007年1月5日

　AMDA緊急医療支援チームは、ザイナル・アビディン病院の医師７人、看護師５人、調整員１人と協働し３日より巡回診療を開始した。巡回診療の運営にあたるニティアン調整員の報告によると、活動場所はベンダハラ（Bendahara Sub-district）周辺の村々であるが、洪水の影響で道路が遮断状態にあり、到着にかなりの時間を要したとのことであった。巡回診療では、ルブク・バティル（Lubuk Batil）村、トゥンプ・テンガ（Tumpuk Tenga）村、デサ・タンジュン（Desa Tanjung）村の３村から患者が集まり、合計１３８人を診察した。患者の主な症状は、上気道感染症、皮膚発疹、真菌感染症、外傷、下痢症、高血圧症であった。
　 ４日も引き続き、ベンダハラ周辺の村で巡回診療を行い、スカ・ジャディ(Suka Jadi)村で８５人、スカ・ダマイ(Suka Damai)村で１９７人、合計２８２人の患者を診察した。こちらの被災地でも、上気道感染症や高血圧症が目立ち、加えて皮膚炎や筋肉痛の症状が見られた。
　金山調整員は、３日夜にバンダ・アチェ事務所に戻り、４日ザイナル・アビディン病院の関係者と今後の救援活動の方針について協議した。

【緊急医療支援活動開始日】
１２月３０日（インドネシア・スマトラ島北部で、１２月２１日から続く豪雨による洪水が発生し、被害が拡大）

【これまでの活動場所】
ウマム・デラ・タミアン病院（Umum Daerah Tamiyang Hospital）
ベンダハラ（Bendahara Sub-district）周辺の村々で巡回診療
　 ルブク・バティル（Lubuk Batil）村
　 トゥンプ・テンガ（Tumpuk Tenga）村
　 デサ・タンジュン（Desa Tanjung）村
　 スカ・ジャディ(Suka Jadi)村
　 スカ・ダマイ(Suka Damai)村

【AＭＤＡからの派遣者】
金山　夏子（かねやま　なつこ）　調整員　　ＡＭＤＡアチェ事業統括
　　　スマトラ島沖大地震・津波緊急医療支援活動・復興支援事業に従事（２００５年１月〜現在）

梶田　未央（かじた　みお）　　　　調整員　　ＡＭＤＡアチェ事業派遣調整員
　　　ジャワ島中部地震緊急医療支援活動(２００６年５月)
　　　 ジャワ島津波緊急医療支援活動（２００６年７月）に従事

Nithian Veeravagu(ﾆﾃｨｱﾝ･ｳﾞｨｰﾗﾊﾞｸﾞ)調整員　国際貢献大学校上席研究員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （前ＡＭＤＡスリランカ医療和平事業副統括）
　　スマトラ島沖大地震・津波緊急医療支援活動（２００４年１２月）
　　フィリピン台風２１号緊急医療支援活動（２００６年１２月）に従事

Dr.Yose Waluyo 医師　　　　ＡＭＤＡインドネシア支部　（１日より活動に参加）
　　アチェ復興支援事業、ジャワ島中部地震緊急医療支援活動(２００６年５月)に従事

2007年1月3日

【緊急医療支援活動開始日】
１２月３０日（インドネシア・スマトラ島北部で、１２月２１日から続く豪雨による洪水が発生し、被害が拡大）

【これまでの活動場所】
ウマム・デラ・タミアン病院（Umum Daerah Tamiyang Hospital）
ベンダハラ（Bendahara Sub-district）周辺の村々で巡回診療

【AＭＤＡからの派遣者】
金山　夏子（かねやま　なつこ）　調整員　　ＡＭＤＡアチェ事業統括
　　　スマトラ島沖大地震・津波緊急医療支援活動・復興支援事業に従事（２００５年１月〜現在）

梶田　未央（かじた　みお）　　　　調整員　　ＡＭＤＡアチェ事業派遣調整員
　　　ジャワ島中部地震緊急医療支援活動(２００６年５月)
　　　 ジャワ島津波緊急医療支援活動（２００６年７月）に従事

Nithian Veeravagu(ﾆﾃｨｱﾝ･ｳﾞｨｰﾗﾊﾞｸﾞ)調整員　国際貢献大学校上席研究員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （前ＡＭＤＡスリランカ医療和平事業副統括）
　　スマトラ島沖大地震・津波緊急医療支援活動（２００４年１２月）
　　フィリピン台風２１号緊急医療支援活動（２００６年１２月）に従事

Dr.Yose Waluyo 医師　　　　ＡＭＤＡインドネシア支部　（１日より活動に参加）
　　アチェ復興支援事業、ジャワ島中部地震緊急医療支援活動(２００６年５月)に従事

2006年12月30日

　インドネシア・スマトラ島北部で、１２月２１日から続く豪雨による洪水の被害が拡大している。国連人道問題調整事務所（UNOCHA）によると、２９日現在で、死者・行方不明２６０人以上、避難者３００，０００人以上となっている。
　２８日、ＡＭＤＡでは被害の甚大さを鑑み、緊急医療支援の開始を決定した。
　２９日、ＡＭＤＡバンダ・アチェ事務所調整員が、ザイナル・アビディン病院の医師３人・看護師６人と緊急医療支援チームを結成し、被災地のナングル・アチェ・ダルサラム州（以下アチェ州）アチェ・タミアン県（Ache Tamiyang）クアラ・シンパン市（Kuala Simpang）へ向かった。翌３０日朝到着し、ウムン・ダエラ・タミアン病院（Umum Daerah Tamiyang Hospital）で、診療を開始した。外傷と皮膚病の患者が目立っているとのことである。
　ＡＭＤＡは、スマトラ島沖大地震・津波発生（２００４年１２月２６日）直後の緊急救援、及び復興支援を現在まで継続して実施している。発生直後の緊急救援時、同病院を拠点として、緊急手術、診療や投薬、壊滅状態になっていた病院システムの構築、及びＩＣＵ病棟や破傷風患者などに対する特別病棟の設置を行った。その後復興支援として、同病院に対し、麻酔科医師派遣支援と看護師派遣研修を実施している。また、同病院で実施された行政担当者向けの医療機関緊急時対応研修も支援している。今回の迅速なチーム編成と被災地への派遣は、両者の密接で良好な関係と研修成果によるものである。

【ＡＭＤＡからの派遣者】
　　金山　夏子（かねやま　なつこ）　調整員　　ＡＭＤＡアチェ事業統括
　　　　　スマトラ島沖大地震・津波緊急救援活動・復興支援事業に従事（２００５年１月〜現在）
　　梶田　未央（かじた　みお）　　　　調整員　　ＡＭＤＡアチェ事業派遣調整員
　　　　　ジャワ島中部地震緊急医療支援活動(２００６年５月)
　 　　 　ジャワ島津波緊急医療支援活動（２００６年７月）に従事
　　ニティアン・ヴィーラヴァグ　　　調整員　
　　　 　国際貢献大学校上席研究員（前ＡＭＤＡスリランカ医療和平事業副統括）
　　　　元スリランカ医療和平事業副統括
　　　　スマトラ島沖大地震・津波緊急医療支援活動（２００４年１２月）
　　　　 フィリピン台風２１号緊急医療支援活動（２００６年１２月）に従事

【ザイナル・アビディン病院Zainoel Abidin Hospital（アチェ州バンダ・アチェ）】
計９人
　医師３人　　　 Dr. Tuti Andayani　　Dr. Ira Maya　　Dr. Iskandar Zulkarnain
　看護師５人　　Mr. Muzni　　Mr. Salmamun Daud　　Mr. Masli Yuzar
　　　　　　　　　　Ms. Elvitrawati　　Ms. Zakiah Handayani
　調整員１人　　Mr. Jufri