AMDA速報
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AMDA速報 スリランカ洪水被害に対する緊急救援活動
 
スリランカ南部洪水被害に対する緊急救援活動 報告6
 
 
 
2003年7月10日

 日本救援衣料センター、パウラの会、AMDA等の協力により6月23日に当地コロンボ港に到着した中古衣料約26トンに関し、AMDAが被災地に配布予定の約2.5トンが、AMDA姉妹組織のSt.ジョンズ・アンビュランスに到着したが、7月10日には、このうち各家庭用に小分けした150袋を、被災地であるネルワ(Nelluwa)の被災者に対し、黒石幸恵看護師、山根達郎調整員およびAMDA・PBPローカル・スタッフMr. Geethが手渡してきた。

 スリランカ南部地域において洪水が発生したのは5月中旬であったが、7月10日に衣料配布した際にも当日の雨で道路が寸断されるなど、洪水が再び発生した中での作業となった。ネルワは、AMDAが5月の洪水の際にもいち早く医薬品やミルクなどの栄養食品を配布した地域である。中古衣料配布当日は、5月の洪水時からAMDAと緊密な協力体制をとってきた現地地方政府の医療スタッフ、Dr. Indrajithの先導のもと、ネルワの中でも最も被害の大きかった集落に配布を行うことができた。洪水の第一波から既に1ヶ月半が経過したが、住居の改善はあまりみられない。それは、住民達が生活資金源としていた田畑を失うことで、職を失った状態が続いていることから、復旧、復興に向けた新たな生活に入ることができていないということを示唆しているものである。他方、Dr. Indrejithによれば、初動でのAMDAによる医薬品等の支給や現地の医療スタッフの努力により、感染症は発生せずに済み、下痢などの症状はあまり見られないとのことである。AMDA以外に継続して救援を行うNGOはなく、Dr. Indrejithには改めて感謝の言葉を頂いた。今後同地区には、同時に搬送した500袋が現地にて順次配布されることとなっている。

 AMDA・PBPは約2ヶ月に渡り、スリランカ南部洪水救援活動を続けている。これまで支援してくださった皆様に改めて感謝申し上げるとともに、被災者の皆様が一日も早く社会復帰されることを期待いたします。

【写真:衣料品を手渡す黒石看護師】

募金のお願い
AMDAでは引き続き皆様のご支援をお願いしています。

郵便振替 口座番号 01250-2-40709
口座名 AMDA
通信欄に「スリランカ洪水」とご明記下さい。


また、書き損じはがき、未使用切手、各種未使用プリペイドカードなどのご寄付を常時お願いしています。


 
スリランカ南部洪水被害に対する緊急救援活動 報告5
 
 
 
 
2003年7月2日

 日本緊急衣料センター、パウラの会、AMDA等の協力により6月23日に当地コロンボ港に到着した中古衣料約26トンに関し、AMDAが被災地に配布予定の約2.5トンが、AMDA姉妹組織のSt.・ジョン・アンビュランスに到着したが、7月2日には、山根達郎調整員、竹内理恵レントゲン技師、川原一恵看護師が荷物の開封および仕分けの支援にあたった。衣料の入った圧縮荷物の開封にあたっては、St.ジョン・アンビュランスの職員や地元ボランティアが参集し、スリランカAMDA Chapterを率いるサマラゲ医師も駆けつけた。

 AMDA担当分については、来週以降、洪水被災地であるラトナプラ、カルタラ、マータラ、ゴールの各地区における政府当局の協力を得て配布作業が始められる予定となっている。

 なお、当地で毎月行われているスリランカNGO等ネットワーク・定例会にて、参加者の皆様から義援金を頂きました。NGO等ネットワークでは、大使館、JBIC、JICA、国際開発センター、開発マネジメントコンサルティング、BAJ、UNDP、SVSなどが毎回参加しています。皆様から寄せられました「AMDA南部洪水救援義援金」22510ルピー分は、現地の被災者の皆様の医療分野での救援に役立たせていただきました。
 AMDAの活動に対するご支援をいただき誠にありがとうございました。

【写真:St.ジョン・アンビュランススタッフと衣料品の仕分けを行う山根達郎調整員と川原一恵看護師】


 
スリランカ南部洪水被害に対する緊急救援活動 報告4
 
2003年5月27日

 現地時間24日、海岸部では最も被害の深刻なカルタラ(Kalutara)にて、AMDAスリランカ医療和平プロジェクト(Peace Building Project)チームの寺垣ゆりや調査員(兵庫県出身)、井上純子看護師(山口県出身)および山根達郎調整員(新潟県出身)が、St.ジョン・アンビュランス・チームおよび健康科学国立研究所のチームに合流して巡回診療に参加した。同チームへは前日の23日に、同じくPBPチームが医薬品を提供している。現地では、水はひいたものの、悪臭が漂っており、飲み水をはじめとする生活用水を井戸に頼りきりである現地集落では、家庭井戸が使えないところばかりであったため、24日に排水ポンプを準備し、井戸水の排水活動にあたった。また、健康科学国立研究所の要請により、井戸水の水質を高めるための漂白剤を150キロ分提供した。

 同日、濱田祐子調整員(愛媛県出身)はタミル人調整員とともに第2次隊、3次隊が巡回診療を行い、450人を診療したネルワ(Nelluwa)に再度訪問し、前回の訪問で地元医師等に要請をうけていたワクチンや医薬品を保存するためのクーラーボックスを保健所に寄贈した。また、洪水で住居を失い、小学校や寺院に避難している250家族を中心に栄養食品を配給した。

 AMDAは今後も被災地域への救援活動を引き続き行っていく。

 スリランカは、過去20余年にわたるシンハラ人とタミル人との対立により、200万人を超えるといわれる人々の生活を脅かされてきたが、今回の緊急救援活動では、タミル人とシンハラ人が合同で緊急救援チームを構成し活動することで、医療和平のコンセプトに基づいた意義のある活動を目指していく。

※医療和平―AMDAが提唱。紛争当事者の双方に中立人道の立場から、国際医療協力をもって紛争の緩衝を図り、和平プロセスに寄与する試み。過去例として、対立するアルバニア系・セルビア系双方への医療支援の実施(コソボ紛争)、ワクチン停戦(アフガニスタン)がある。


 
スリランカ南部洪水被害に対する緊急救援活動 報告3
 
2003年5月23日

 現地時間20〜21日、スリランカ南部地域洪水において、AMDAスリランカ医療和平プロジェクト(PBP)チームは、2次隊および3次隊(敵対するタミール人とシンハラ人から構成される緊急救援チーム)を、被害の大きいGalle地区のネルワ(Nelluwa)、ヒヌドゥマ(Hiniduma)近郊に派遣し、緊急救援活動を行った。チーム到着時には道路の水はほぼひいていたものの、道中は険しく、未だ電気の供給等ライフラインが寸断されている場所がほとんどであった。奥地にあたるネルワでは、AMDAの医薬品提供が初めてという状況で、地元の医療関係者に大歓迎された。

 4次隊の冨田彩香調整員および竹内理恵レントゲン技師は、被災地のカルタラにおいて21日、サマルシンガ労働大臣の要請に基づき、緊急物資配給のためのボートを3台カルタラ地域緊急救援委員会に提供した。また、健康科学国立研究所において、同研究所副部長サラ氏とともに当面の援助活動について意見交換を行った後、西部地域開発省のチャンドナ氏とも会談し、カルタラの被害状況について説明を受けた。同日午後からは、ネルワから駆けつけた2次隊および3次隊と合流し、緊急物資配給用ボートにて現地視察を行った。カルタラにおけるボート視察をおこなった冨田調整員らによれば、水面は3.6m上昇した状況で、家屋のみならず生活基盤である田畑も完全に水没している様子で、今後の生活への影響が懸念される。

 地元医師との協議で得た情報によれば、今後は、水はひいても、感染症の被害等も予想されることから、さらなる医薬品の提供およびその保存のためのクーラーボックス等の提供、また、下痢の症状に対する対策が必要であると考えられ、AMDAではこれらの対策準備をすすめている。

 スリランカは、過去20余年にわたるシンハラ人とタミル人との対立により、200万人を超えるといわれる人々の生活を脅かされてきたが、今回の緊急救援活動では、タミル人とシンハラ人が合同で緊急救援チームを構成し活動することで、医療和平のコンセプトに基づいた意義のある活動を目指していく。

※医療和平―AMDAが提唱。紛争当事者の双方に中立人道の立場から、国際医療協力をもって紛争の緩衝を図り、和平プロセスに寄与する試み。過去例として、対立するアルバニア系・セルビア系双方への医療支援の実施(コソボ紛争)、ワクチン停戦(アフガニスタン)がある。


 
スリランカ南部洪水被害に対する緊急救援活動 報告2
 
2003年5月21日

 ロイターによるとスリランカでは洪水や土砂崩れによる被害がここ半世紀で最大の規模に拡大し、死者は237人、被災者は20万人以上に上り、当局は被災者への人道支援を急いでいる。緊急支援当局は家屋や農地、家畜の被害状況を調査しており、行方不明者は推定200人余りとされる。

 現地時間20日、AMDA・スリランカ医療和平プロジェクト濱田祐子現地統括(愛媛県出身・今年2月に派遣)が南部出身労働省大臣サマシンガ氏と単独で行った会談で得られた情報によると、下流地域では道路が浸水し、交通が完全に麻痺しているため、救援物資を運搬するためのボートが必須であるという。

 これをうけ、AMDA医療和平プロジェクト(PBP:Peace Building Project)チームは、敵対するタミル人とシンハラ人から成る緊急救援チームの3次隊をすでに被災地に派遣しているが、このたび4次隊として冨田彩香調整員(岡山市出身・今年3月に派遣)、竹内理恵レントゲン技師(愛知県出身・今月15日派遣)をAMDAスリランカ支部のカル医師と共に南部の被災地へ派遣した。一行は21日朝より、カルタラ(KALUTARA)にてエンジンつきボートを3台確保し、ラトナプラ周辺をはじめとする浸水地域に対し、ボートにより医薬品、物資等を提供している。

 山根達朗調整員をはじめとする2次隊、ならびに、医薬品を補充するために現地入りした3次隊は、現在、ネルワ(Nelluwa)にて巡回診療、飲み水、テント供給等の緊急救援活動を展開している。


 
スリランカ洪水被害に対する緊急救援活動 報告1
 
2003年5月20日

 スリランカ政府当局者は19日、同国南部などを襲った豪雨による死者が少なくとも200人に上ると報告した。行方不明者約200人、自宅から避難している住民は約10万人に達しているという。アムダ医療和平プロジェクトチーム(PBP)はスリランカ政府保健省の要請に応じ、アムダスリランカ支部はST.ジョンアンビュランスと緊急救援チームを構成した。

 19日夜AMDAスリランカ支部に所属する医師、調整員(PBPより派遣)を含む一次隊がコロンボを出発し、20日朝、山根達郎調整員(先月よりPBPに調整員として派遣)をはじめとする2次隊はゴール、マータラでAMDA支部チームと合流予定。最も被害が大きいとされる南西部地域のバデガマ(BADDEGAMA)、ウドゥガマ(UDUGAMA)、ヒニドゥマ(HINIDUMA)、ネルワ(NELUWA)、コタポラ(KOTAPOLA)、アクレサ(AKURASA)にて救援活動をはじめる。避難民が最も必要としている飲料水、医薬品、栄養食品を供給するため、水タンク、ガスコンロ、医薬品2週間分、仮テント等を供給することにしている。

 スリランカは、過去20余年にわたるシンハラ人とタミル人との対立により、200万人を超えるといわれる人々の生活を脅かされてきたが、今回の緊急救援活動では、タミル人とシンハラ人が合同で緊急救援チームを構成し活動することで、医療和平のコンセプトに基づいた意義のある活動を目指していく。

※医療和平―AMDAが提唱。紛争当事者の双方に中立人道の立場から、国際医療協力をもって紛争の緩衝を図り、和平プロセスに寄与する試み。過去例として、対立するアルバニア系・セルビア系双方への医療支援の実施(コソボ紛争)、ワクチン停戦(アフガニスタン)がある。


 


 
 

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